空き家バンクを使った移住では、物件を実際に見に行く「内見」が最初の壁になりがちです。候補地が遠いほど、1回の内見に半日から1日がかりになることも珍しくありません。私も大分市から日田市へ移住する準備の中で、この内見の移動でかなり消耗しました。
ただ、移住先の自治体には、内見や下見(いわゆる「お試し移住」)にかかる宿泊費を補助してくれる制度があることが多いです。私も日田市の制度を使うことで、負担をかなり減らせました。この記事では、日帰り往復で痛感したきつさと、宿泊費補助制度を知ってからの内見の進め方、申請の流れまで、実体験ベースで紹介します。フルリモート会社員としての移住の経緯全体はフルリモートで地方移住はできる?会社員の2段階移住体験談に書いているので、ここでは内見フェーズに絞って掘り下げます。
空き家バンクの内見は「移動」も「情報収集」も体力を使う

一般的な賃貸の内見なら、駅から近い数件を1日で回って終わることが多いはずです。ですが空き家バンクを使った移住の内見は勝手が違います。候補地までの移動距離が長いことに加え、確認したい情報も一気に増えるからです。物件そのものだけでなく、町の雰囲気やスーパー・クリニックまでの距離、近隣との人付き合いなども気になってきます。
空き家バンクの仕組み自体は空き家バンクとは?古民家に賃貸移住した体験談で詳しく書いているので、ここでは内見そのものの負担に絞って書きます。移動の疲れと情報収集の疲れが同時に来るのが、内見のきつさの正体です。
大分市→日田市を日帰り往復して、心底きつかった話(2024年7月)

実際に「これはきつい」と痛感したのは、2024年7月、日田の農業関係者とつながる機会をいただいた日でした。空き家バンクの正式な内見ではなく、地域の農家さんたちに会いに行くための日帰り往復でした。せっかくなので、町の雰囲気もあわせて見て回りました。
車で高速を使って片道約1時間30分、往復で3時間です。移動だけでも正直しんどいのに、その日のうちに人と会って話し、町を歩いて空気感も確かめました。頭の中で情報を整理しながら大分市まで戻る道のりは、移動の体力消耗と情報収集の脳の消耗が同時に来る感じでした。帰りの車内ではほぼ放心状態でした。
まあ移住の下見なんて数回で済むだろうと軽く見ていたところがあったんですけど、この一日で認識が変わりました。「これを内見のたびに繰り返すのはさすがに無理だな」と思い知らされました。このきつさが、次に紹介する宿泊費補助制度を使うきっかけになっています。
「移住体験支援事業(宿泊費の補助)」を知ったきっかけと制度の中身

日帰りのきつさを味わった後、日田市の移住相談窓口(移住課)にメールで相談しました。すると、送られてきた資料一式の中に「移住体験支援事業(宿泊費の補助)」という制度の案内が入っていたのです。空き家バンクの利用登録者や移住相談を行った人などを対象に、移住を目的とした市内宿泊にかかる費用の一部を補助してくれる制度です。
補助の対象範囲や上限額、申請条件は自治体によって異なり、内容が変更される可能性もあります。詳しくは日田市の公式ページで最新情報を確認してください。
大事なのは、こうした制度を自分で検索して見つけなくても、移住相談の窓口に連絡すれば案内してもらえるケースがあるということです。私自身も相談時に送られてきた資料に同封されていて、初めて知りました。
宿泊ありで臨んだ2回の内見、日帰りとの体感差(2024年8月・9月)

制度を知ってから、実際の内見は2024年8月と9月の2回、約1か月の間隔で行いました。いずれも宿泊費補助制度を使い、日田市内に1泊しています。
宿泊先は、駅から近いこじんまりした温泉付きの小規模旅館を選びました。市内には他にも対象になる宿泊施設がありましたが、料金の安さと落ち着いた雰囲気で決めた形です。交通アクセスの確認は移住の後悔を防ぐチェックポイントの一つでもあるので、内見のついでに駅や周辺施設までの距離感も一緒に確かめられたのは収穫でした。
1泊すると、日帰りとはまったく違う余裕が生まれます。「今日はここまで確認して、残りは明日にしよう」と決められるだけで、無理な行動計画を立てずに済みますし、体力も頭の回転も温存できます。日帰りだと予定を全部その日にねじ込もうとして焦るんですけど、1泊あるだけで内見の中身自体が丁寧になった感覚がありました。
もう一つ印象に残っているのが、宿泊証明書にサインと押印をもらうときのやり取りです。旅館の人と移住の話になり、「仲間が増えるのがうれしい。ようこそ。」と言ってもらえました。制度のスペックだけでは味わえない、地域の温かさを感じた瞬間です。
申請の流れ|交付申請から実績報告まで

私が実際に踏んだ申請の流れは、次のとおりです。金額や上限泊数など細かい条件は変更される可能性があるため、忘れずに自治体の最新情報を確認してください。
- 宿泊前に、補助金の交付申請書を提出する
- 対象の宿泊施設に宿泊する
- 宿泊施設にサイン・押印してもらった宿泊証明書を用意する
- 移住体験アンケートに回答する
- 補助金実績報告書を提出する
- 補助金交付請求書を提出する
私の場合はオンラインでのやり取りだけで完結し、市役所へ足を運ぶ必要はありませんでした。ただしこれは私のケースの体感であり、自治体や申請時期によって運用が変わる可能性はあるので、参考程度に見てください。書類の種類は多く見えますが、宿泊証明書を宿でもらい忘れなければ、あとは順番に提出していくだけです。思っていたより手間はかかりませんでした。
まとめ|内見の負担は「日帰り」を疑うところから

空き家バンクの内見を日帰りで繰り返すと、移動と情報収集の疲れが同時に来て、想像以上に消耗します。私は2024年7月の日帰り往復でそれを痛感しました。そこで8月・9月の内見では、日田市の宿泊費補助制度を使って1泊するスタイルに切り替えました。
この記事の要点は次の3つです。
- 日帰り往復は移動の体力消耗と情報収集の脳の消耗が同時に来て、思っている以上にきつい
- 移住先の自治体には、内見・下見の宿泊費を補助してくれる制度があることがある。私は移住相談窓口への問い合わせで知った
- 1泊すると行動計画に余裕ができ、内見そのものの質も上がる
他の移住検討者にアドバイスするなら、まず候補の市町村の移住担当部署に直接連絡してみることです。人口流入は多くの自治体にとって重要な課題なので、こちらから相談すれば積極的に協力してくれるところが多いというのが実感です。
内見を乗り越えて物件が決まったら、次は転出・転入届などの手続きが待っています。詳しくは地方移住の手続きとやること|遠距離でも漏れない順番にまとめているので、あわせて読んでみてください。

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