家主居住型にするか家主不在型にするか、民泊を始めるにあたって迷っている方は多いと思います。比較記事を読めばメリット・デメリットの一覧は分かりますが、「結局どちらを選べばいいのか」の実感までは湧きにくいものです。私自身は、ゲストとして家主居住型の民泊に泊まった経験がきっかけで、家主居住型での開業を考えるようになりました。この記事では、その宿泊体験がどんな新鮮さだったのか、そこからどうやって開業を志すに至ったのかを、当事者目線でお伝えします。
家主居住型民泊とは?まず簡単に整理します

民泊には大きく、旅館業法・住宅宿泊事業法(民泊新法)・特区民泊という3つの制度があります。その違いは別記事「民泊の始め方|3制度の違いを開業準備中の私が整理」で整理しています。この記事で扱う「家主居住型」は、そのうち民泊新法という枠組みの中にある区分のひとつです。家主(ホスト)がその住宅に生活の本拠を置きながら部屋を貸すスタイルを指します。家主がその場に暮らさず住宅全体を貸し出す「家主不在型」と対になる区分です。制度上の細かい要件は法改正や自治体の運用で変わる可能性があるため、詳しい数値は上記の別記事や行政の案内で確認してください。
千葉・舞浜近辺で泊まった一泊二日、「暮らすように泊まる」という体験

最初に家主居住型のAirbnbに泊まったのは2025年3月ごろ、千葉・舞浜近辺の住宅街にある一戸建てでした。1泊2日という短い滞在だったんですが、家主さんの玄関と私たち宿泊者の玄関が完全に分かれていて、滞在中に顔を合わせることは一度もありませんでした。部屋は1LDK程度のシンプルな空間で、ホテルというより「誰かの暮らしをちょっと間借りしている」ような感覚があったんですが、これがちょうど良い距離感で、テレビ台の位置ひとつ、キッチンの調味料の並び方ひとつが、その家の生活そのものに見えて新鮮でした。
カナダ・リッチモンドで泊まった四泊五日、家主とのやり取りで感じた距離感

2回目は2025年5月ごろ、カナダ・リッチモンドのAirbnbに4泊5日で滞在しました。ここも住宅街の一戸建てで、民泊部分は家の裏側にある半地下のような独立した入り口です。基本的なやり取りはAirbnbアプリ経由で、必要な時だけ連絡が取れる距離感が心地よかったです。荷物を少し預かってもらいたい時も、対面で気を使わず頼めたのは地味に助かりました。チェックアウトの日は荷物を預けて外出し、受け取りに戻った時に初めて家主さんと直接顔を合わせ、「泊まりに来てくれてありがとう」と声をかけてもらいました。海外で暮らす人と実際に言葉を交わす新鮮さがあり、この一言だけで滞在の印象がぐっと良くなったんですが、逆に言えば、対面がなくても十分成立する仕組みなんだとも感じました。
二度の宿泊で見えた、家主居住型のビジネスモデルとしての魅力

この2回の滞在で強く惹かれたのは、体験そのものの心地よさだけではありません。チェックアウトは自分たちで簡単な片付けをするだけで、清掃や管理を丸ごと外部に委託しているようには見えない、運営の軽さも垣間見えました。管理委託費がかからなければ、その分収益性を保ちやすいはずです。不動産の賃貸経営で家賃収入を得てきた身としては、この「管理コストの低さ」が数字として無視できない魅力に映りました。自分がゲストとして体験しているぶん、次に自分がホストになった時にも利用者目線を持ちやすいはず、という直感もありました。
妻の一言から動き出した民泊構想

2回の宿泊から少し時間が経った頃、妻から「あの民泊、私たちもやってみたら面白いんじゃない?」という一言がありました。Airbnbで泊まった体験の余韻が、お互いの中にまだ残っていたんだと思います。この一言をきっかけに、不動産・株式・農業といった形で少しずつ育ててきた複数の収入源に、民泊という新しい柱を加える構想が具体的に動き出しました。
家主居住型を選んだ3つの理由

ここまでの体験を踏まえて、家主居住型を選んだ理由を整理します。
理由1: 自分がゲストとして経験しているから
家主居住型に実際に泊まってみたことで、宿泊者がどんな場面で困るか、何が心地よいと感じるかを肌で知ることができました。制度の説明を読むだけでは分からない、利用者目線をすでに持てているのは大きな強みだと感じています。
理由2: すでに不動産経営はしているから、新しい業態にも挑戦したい
不動産の賃貸経営はすでに続けているので、収益物件を増やす選択肢もありました。それでも民泊という違う業態に挑戦したかったのは、家賃収入とは違う形の事業運営を経験してみたかったからです。
理由3: 管理の目が届く小さな規模から始めたい
最初から大きな規模で始めると、良い面も悪い面も見えにくくなります。家主が同じ場所にいる家主居住型なら、管理の目が届く小さな規模から始められ、うまくいく点もつまずく点も自分の肌で学べると考えました。
今は、民泊新法での届出を軸に、家主居住型での開業を検討している段階です。ゲストとして感じた魅力を、今度は自分の手で形にしていきたいと思っています。
まとめ

家主居住型民泊を志すきっかけになった、2回のゲスト体験を振り返りました。
- 千葉・舞浜近辺とカナダ・リッチモンドで泊まった家主居住型のAirbnbが、「暮らすように泊まる」新鮮さと、管理コストの低さというビジネスモデルの魅力を教えてくれました
- その体験の余韻が残っていたところに妻からの一言があり、民泊という新しい柱を加える構想が具体的に動き出しました
- 家主居住型を選んだ理由は、ユーザー視点をすでに持てていること、不動産とは違う業態に挑戦したいこと、小さな規模から肌で学びたいことの3点です
不動産・株式・農業に民泊を組み合わせていく事業観は、半農半Xとは?会社員向け始め方4ステップにも通じる部分があります。あわせて読んでみてください。


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