サラリーマンを辞めたくなったキッカケは・・・

メンタル(エッセイ)

入社2~3年目ぐらいだっただろうか。

当時、サイコパスなんじゃないかと思うぐらいパワハラ気質な本部長候補のおっさん(仮にKさんとする)がいた。

Kさんは自分の推進に対して「できない」とか「それは難しい」とかいう反対意見に聴く耳を持たないタイプだった。

「できない理由を探すな。どうやったらできるかだけを考えろ!」

「悪い報告は聞きたくない。いい報告を持ってこい!」

「どんどんやれ!すぐやれ!」

現場の苦労や悩みなんか、Kさんには全く関係なかった。

「お前たちはとにかく俺の言うことにしたがって動け」と言わんばかりのやり方。(むしろ言ってたと思う)

営業上がりで口が達者なKさんには誰をもっても説得もできなかったし、Kさん自身の役職に逆らえる人もいなかった。

そんなこんなで当時、海外に大規模な事務処理拠点を作るプロジェクトが発足された。

プロジェクトオーナーはKさんだ。

そして私は入社2年目の研修生。このプロジェクトメンバーにアサインされてしまった。

私は海外でやってもらう事務処理作業を習得し、現地のメンバーに教育するミッションを与えられた。

え?まだ研修生ですよ?重くない?そのミッション・・・

もちろんすべて一人でやったわけではないが、この当時は何度も国内~海外を出張して、なんとか稼働開始日を迎えることとなる。

問題はここからだ。

海外拠点で処理ミス連発、それのリカバリ対応、未処理・処理済みの案件管理ができない、処理者はこちらの指示が理解できていないetc,etc…

とにかくあらゆる問題が発生して、日本側の現場はパニックになった。

Kさんの強引な過密スケジュールで教育~稼働を強行せざるを得なかったからだった。

最初は稼働後のパニックも包み隠さずKさんに報告した。

Kさんの返答はこうだ。

「どうしてミスが起こるんだ!?原因を明らかにしてすぐに解決しろ!」

そりゃおっしゃる通り。そうするしかない。でも、どうしてそういうことになったと思う?

現場ではミスとリカバリを繰り返すイタチごっこが続くなか、Kさんへの報告は「いい報告」ばかりになっていった。

「Kさんにはマイナスの話をするべきじゃない」「良かったところを探して報告しよう」「もう怒られたくない」

矢面に立って報告する幹部層がそう決めたのだった。

後の流れはこうだ。

「いい報告」が聞けるようになったKさんは満足。一方で現場は依然として火だるま状態。

Kさんは「このプロジェクトが成功した」と経営層に盛大にアピールしまくった。

結果、このプロジェクトは社長賞を獲り、Kさんは本部長→常務へと昇進昇進。

私の方はどうだったかって?

年功序列の昇給が一回のみ、ボーナスで大きく評価されることもなかった。

他の担当者にしたって大した恩恵をもらった人はほとんどいなかった。

Kさんの出世とは裏腹に、現場の火消しも当分終わることがなかった。

しまいには、「海外事務処理拠点プロジェクトがなぜ成功できたのか?」などという嘘八百を書き連ねたパワポ資料を幹部はシコシコと作らされていた。

プロジェクト成功事例発表会で全社に向けて共有するのだ。

「発表者は若手がいいな。あいつにやらせよう。」

Kさんの鶴の一声。

だれがこのウソだらけの発表をしたと思う?

そう、この私だ。

皮肉にもほどがある。これほどまでに後味の悪い皮肉があるだろうか。

散々こき使われた挙句、Kさんの出世の踏み台となり、自分への見返りはほとんどなく、最終的に「このプロジェクトは大成功です!」と笑顔で大ウソをつくハメになったわけだ。

華やかに見せた裏で起こっている火消し作業は私がやり続けているというのに。

大きな犯罪の片棒を担がされた気分だった。

悪魔に魂を売った気分だった。

「これがサラリーマンか」

このとき、私はサラリーマンという生き方に心底失望した。

「まあまあ、お金もそこそこもらってるんだからいいじゃん!」

そういう意見はごもっとも。

たいていの人がそう割り切って、嫌なことも我慢して働いているだろう。

だってお金がないと生きていけないから。

生きるためならしょうがない。

私もそう思っていたけど、そのうち限界が来そうな気がする。

人生はまだ長い。

普通に生きたら残り20~30年は働いて過ごす日々だろう。

人生100年と言われる時代、それは人生の約4分の1を働くということだ。

そんなに長い時間、嫌なことを耐え続けるだけでいいのか?

死ぬ前に振り返った時に、我慢するだけの人生だったと思う生き方でいいのだろうか?

なるべくそんな風にはなりたくないなと思った。

自分にやりたいことができたなら、夢で終わらせずに実現しにいける人生でありたい。

収入が減っても、安定を失っても、心が動くような素敵なコトと出会えたら。

飛び込んでいける人生を歩みたい。

もし本当にそれが実現できたとしたら、今回話した後味の悪い話も美談に感じられるようになるかもしれない。

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