古民家の広い庭で家庭菜園を始めた実録|プランターから地植えへ

移住・暮らし

田舎の広い庭で好きな野菜を自分の手で育ててみるのは、移住や田舎暮らしに憧れる人なら一度は思い描く暮らしだと思います。ただ、実際にどれくらい手がかかるのか、初心者でも育つのかは、やってみないと分からない部分が多いです。

私は2024年11月に日田市の古民家へ引っ越し、翌春から庭の一角で初めての地植え家庭菜園を始めました。それまではベランダのプランター栽培だけで、地植えは未経験でした。

この記事では、初収穫のサニーレタスから、ミニトマトの豊作、裏山の動物にやられた鳥獣被害まで、田舎の家庭菜園のリアルを等身大でまとめます。これから庭で野菜を育てたい人の、程度感の参考になればうれしいです。

ベランダのプランターから、古民家の広い庭へ

古民家の庭を鍬で耕し始める人物の後ろ姿

日田市の空き家バンクで借りた古民家には、100㎡ほどの庭がついていました。物件を借りた経緯は空き家バンクとは?古民家に賃貸移住した体験談にまとめています。このうち30㎡ほどを畑にして、残りは通路やBBQスペースにしています。

最初は鍬一本で、途中から近所の方の耕運機で

引っ越したのが2024年11月で、そこから1〜3月にかけて開墾・土づくり・畝立てを進めました。最初は鍬一本でコツコツ掘り返していたんですが、これがなかなか進みません。見かねた近所の方が手押しの耕運機を貸してくれて、そこから一気にはかどりました。使い方が分からなかったんですが、型番を調べたらマニュアルが出てきて、それを見ながらやったらそれなりに畑らしくなりました。「やればできるもんだな」と、初日から田舎の助け合いに救われた気分でした。

プランターと地植えで、いちばん変わったこと

ベランダのプランターしかやったことがなかった自分にとって、地植えは別物でした。違いを一番感じたのは3点です。

まず収穫量の桁が違います。プランターだと数株が精一杯ですが、地植えは食べきれないほど採れます。次に、育てられる野菜の種類が一気に広がりました。根を深く張る野菜も、地植えなら無理なく育ちます。最後に、手間の大きさも変わりました。土の量が多いぶん世話する範囲も広く、草むしりや水やりの手応えはプランターの比ではありません。

初収穫はサニーレタス。育てる野菜が増えていった

畑にサニーレタスやミニトマトなど数種の野菜が実る様子

まず育てやすかったのは葉物と香草

初めて地植えで収穫できたのはサニーレタスでした。3月に植えて、4月中旬から5月上旬まで採れました。玉レタスと違って、欲しい分だけ外側の葉を切って採れるのが便利で、2〜3日に1回のペースで採り続けられます。必要な分だけ毎日ちょっとずつ食卓に出せるので、巻かない葉物は本当に効率がいいです。トンネル状にネットをかけておくと虫食いをかなり防げるので、やっておいた方がいいです。

枝豆も手がかかりませんでした。特に何もしなくても育ってくれて、防除もほとんどいりません。

シソやバジルの香草系も、ほぼ放っておくだけでぐんぐん育ちます。シソをご飯に混ぜたり薬味にしたり、ちょっと添えるだけで料理の完成度が一段上がる感じがして、自炊が楽しくなりました。

ミニトマトは手間はあるが、初心者でも豊作

ミニトマトは、収穫まで行けばコスパが抜群です。買うと地味に高いんですが、育てると苗1本でもどっさり採れます。わき芽を取ったり、背が伸びて茎が重くなると倒れやすいので支柱で支えたり、手入れのポイントはあります。ただ、そこさえ押さえれば初心者でも普通にたくさん採れて、難しい部類ではありません。夏の間はほぼ毎日食べられるくらいの勢いでした。

皮の食感が苦手なら、熱湯に2〜3分つけると皮がめくれて実だけ取り出せます。これは我が家の定番の食べ方になりました。

少し難しかったのはナスとパプリカ

逆に手こずったのがナスとパプリカです。収穫まではいけたんですが、大きく育てるのが難しくて、こぶりなまま終わることが多かったです。特にパプリカは色づかせるのが難しく、ほとんど緑のまま、ピーマンとして食べる感じになりました。この2つは他の野菜よりカメムシが湧きやすい気がして、虫が苦手な人にはちょっとストレスかもしれません。作物によって虫の付きやすさがけっこう違う、というのは地植えを始めて分かったことです。

地植えでいちばんうれしいのは「収穫の量」

両手いっぱいのミニトマトと土から掘り出したじゃがいも

地植えをやってみて一番うれしかったのは、やっぱり収穫の量でした。ミニトマトは食べたいだけ採れますし、じゃがいもを掘り返すと土の下からゴロゴロ出てきます。スーパーで買っていた野菜が、庭で採れたてのまま手に入ります。この違いは思っていた以上に大きかったです。

プランター時代は「ちょっと収穫できた」で満足していたのが、地植えだと「今日は何を消費しよう」と考える側に回ります。採れたてをそのまま自炊に回せて、シソやバジルの薬味を切らさない生活は、思いのほか豊かでした。量が採れるからこそ味わえる楽しみだと感じています。

田舎の家庭菜園ならではの大変さ

裏山を背景に防獣ネットを張った畑と草むしりの道具

裏が山。畑が動物にやられることがある

うちの古民家は裏が山で、家庭菜園を始めてから鳥獣被害を何度か経験しました。

最初は枝豆でした。朝起きて畑を見に行ったら、葉っぱだけガッツリ食われていて、「これが噂の獣害か」と初めて実感しました。おそらく鹿だと思います。

次はナスです。翌日収穫しようと思っていた実が、朝畑に出たらきれいになくなっていました。葉も茎も周りの野菜も無事なのに、実だけがごっそり消えていたので、最初は人がやったのかと思ったくらいです。調べるとハクビシンやアナグマがこういう食べ方をするそうで、たぶんその仕業でした。

ミニトマトは、鳥に食べられている現場をそのまま目撃しました。トマトは枝や茎がしっかりしていて鳥がとまりやすく、絶好の餌場になるようです。都会のプランターでは考えもしなかった苦労でした。

夏の草むしりと、BBQスペースにした工夫

広い庭は理想的に聞こえますが、夏場の草むしりはそれなりに大変です。放っておくとあっという間に伸びるので、夏は週2〜4回、1回30分ほど草と向き合っています。

畑以外の部分は、防草シートを敷いて人工芝を張り、BBQ広場にしました。ここは実際に何度も使っていて、庭で焼いてそのまま食べられるのは古民家暮らしの醍醐味です。ただ、安物の防草シートを使ったせいで、1年ほどで下から雑草が貫通してきました。今では普通に草が生えてきていて、ここはケチらず良いものを選べばよかったと反省しています。庭まわりを含む暮らしの詳しい話は古民家の賃貸暮らし|住んで分かったメリット・デメリットにまとめています。

菜園の虫とのつき合い方

畑仕事をすると、虫は避けられません。私は軍手をつけて基本は素手で対応し、野菜用の薬剤をときどき使って作物自体を虫害に強くしています。防虫ネットやマルチも、手軽なわりに効果がありました。とはいえ古民家暮らしの虫は畑だけの話ではないので、暮らし全般の虫対策は田舎暮らしの虫対策|古民家1年で分かったことに別でまとめています。

これから庭で家庭菜園を始める人へ(まとめ)

夕方の庭で収穫した野菜をテーブルに並べた穏やかな暮らしの風景

ベランダのプランターから古民家の広い庭に移って、家庭菜園はぐっと面白くなりました。最後に、これから庭で始める人へ要点を3つにまとめます。

  • まずは葉物・枝豆・香草など、手のかからない野菜から始めると失敗しにくい
  • 地植えは収穫量が桁違いだが、草むしりや鳥獣対策など田舎ならではの手間もある
  • 完璧を目指さず、採れたてを食卓で楽しむくらいの気持ちが長続きのコツ

広い庭での野菜づくりは、移住後の暮らしを少しずつ豊かにしてくれる小さな柱の一つです。家庭菜園の先にある農ある暮らしについては半農半Xとは?会社員向け始め方4ステップ、移住全体の流れは大分移住の全記録|東京→大分市→日田市、会社員の5年間もあわせてどうぞ。

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