ごきげんよう。たこまんじゅう (@tako_waytofire) です。
2021年3月度の
- 景気動向指数(2021年1月度)
- 景気ウォッチャー指数(2021年2月度)
が発表されました。
これらの指標を眺めると景気の動きや回復ペースを大まかに把握することができるので、株式投資における判断材料の一つとして便利です。
特に今はコロナ影響で景気状態が短期間に変動する可能性があるので、これら指標を使って迅速に状況把握しておくに越したことはありません。
景気動向指数(2021年1月度)
景気動向指数とは、産業・消費・雇用・金融など経済に重要かつ景気敏感な約30種類の指標をもとに算出される数値で、景気の現状や将来の動向を予測するのに使われます。
景気動向指数の見方は2種類の観点があります。
- CI(コンポジット・インデックス):景気変動の大きさ
- DI(ディフュージョン・インデックス):景気の回復/衰退局面かの判断目安
また、指数算出に用いる採用系列によって3種類の時系列の景気状況を把握することができます。
- 先行指数:現在の景気より先行して変動する指数
- 一致指数:現在の景気と一致して変動する指数
- 遅行指数:現在の景気より遅れて変動する指数
今回は、株式投資のための将来的な景気動向を知りたいので、CIの先行指数に着目してみていきます。
2015年を基準値の100ポイントとして、2021年1月度は99.1(前月差+1.4)でした。
基準値を若干下回るものの、コロナ前の水準はゆうに超えていて順調に戻っているような動きです。
次に採用系列の中身を見てみます。
東証株価指数など一部の金融・投資関係指数が前月比で伸びているものの、産業・消費・雇用関係は軒並み下がる内訳でした。
株式市場のバブル相場が景気動向指数を牽引し、実体経済に関わる数値はまだ追い付けていないという感じです。
景気ウォッチャー指数(2021年2月度)
景気ウォッチャー指数とは、景気の動きを身近に感じる職種こ方々の生の意見を反映した指標で、リアルな景気の今を把握するのに役立ちます。
百貨店・スーパーなどの小売店やレジャー、タクシー業界など景気に敏感な職種の方々を対象に、全国で約2,000人にインタビューした調査結果が発表されます。
50ポイントを基準値として、これより高ければ「好景気」、低ければ「不景気」と感じている人が多いことを示します。
2021年2月度は51.3ポイント(前月差+11.4)でした。
前月から大きく好転し、好景気の判断の分かれ目となる50ポイントを超えました。
調査結果の所感にはこのようにコメントされており、
「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直しの動きがみられる。先行きについては、感染症の動向を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている。」
出典:景気ウォッチャー調査令和3年2月調査結果より
今後の見通しに光明が差し始めていることを言及しています。
次に業界別の内訳を見てみます。
住宅関連の戻りが比較的弱いながらも、いずれの業界も前月度より数値が改善しています。
緊急事態宣言が延長した2月度の結果ですが、現場で働く方々のご意見としては少しずつ回復している感覚があるということですね。
3月度は緊急事態宣言が1都3県で再延長になった影響が反映されると予想しますので、どんな動きになるか今後も要チェックです。
個人的には、株式市場が史上最高値を目指す勢いの割には実体経済の景気状況はまだもう少し、という感覚で捉えています。
まとめ
景気動向指数は数値的に回復傾向である一方、内訳を見ると金融・投資関係の系列に支えられている状態。
景気ウォッチャー指数は好景気の基準値50ポイントを超え、景気回復を感じる人が増えてきている状態。
総じて全体的に前月度より改善傾向にあり、景気は少しずつ好転の兆しを見せている様相です。
ただし、実体経済以上に株式市場のバブル相場が牽引している部分がどうしても気になります。
実際の景気は良い方向に進んでいるのかもしれませんが、今はそれ以上に株高な状態である可能性が高いです。
個人的にはその点が懸念材料に感じるため、今のところまだ全力で株を買う気にはなれません。
株式市場とは適度な距離感を保ちつつ、無理はせずに買えるものを買うのスタンスで引き続き対応しようと思っています。
最後になりますが、投資においてはなるべく多角的な判断材料を持っておきたいところです。
今回の景気動向もあくまで材料のひとつとしてご活用いただければと思います。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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