ごきげんよう。たこまんじゅう (@tako_waytofire) です。
「兼松エレクトロニクス(8096)」について、FIRE(Financial Independence Retire Early)するための高配当株投資の観点で銘柄分析しました。
会社概要
兼松エレクトロニクスは、兼松株式会社(8020)(IT・食糧・鉄鋼・プラントで主力展開する商社)のIT分野を担う関係会社です。
上図の業界向けのITソリューションを提供し、特に仮想化ビジネスを中心としたITインフラ構築、運用・保守に強みを持っています。
IT系ビジネスが主力であるということは、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブな値動きが期待できます。
また昨今は、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進・リモートワークの加速などなど、IT投資を戦略的にやっていこうとする動きが社会的にも高まっているので、IT市場の潜在的需要はますます高まることが予想されます。
そのうえで、兼松エレクトロニクスは高配当株投資家好みの配当政策を執る会社なので、長期的なインカムゲインを狙う投資にはうってつけの銘柄です。
基本情報
株価 | ¥3,630 |
PER | 14.03 |
PBR | 1.95 |
配当金 | ¥135 |
配当利回り | 3.72% |
配当金支払い月 | 6月・12月 |
ボラティリティはさほど大きくないディフェンシブな値動き、かつコロナショック(2020/3)以降もすぐに復調できる力強さが伺えます。
PER・PBRを見る限りでは若干の割高感はあるものの、この銘柄に関しては配当利回り4%に近ければ買い進めてもいいかなと考えています。
配当金・配当性向の推移
約10年間のデータを集計しましたが、配当金については着実な右肩上がり!素晴らしいカーブです。
ここで兼松エレクトロニクスの配当政策を確認してみましょう。
株主の皆様への利益還元につきましては、長期的な企業成長の基盤強化に努め、安定的かつ継続的な配当をしていくことを基本方針としております。
引用:”2020年6月期 有価証券報告書“「配当政策」より抜粋
安定的かつ継続的な配当をしていくと明言しており、長期保有をベースとする高配当株投資家としては嬉しいメッセージです。
続いて配当性向についてです。配当性向とは年度利益のうち配当金にまわす割合で、低いほど利益に余裕を残っているということになります。
直近の配当性向は52.3%で、上場企業の平均値30%よりは高い状態です。
ただし、有価証券報告書の中期経営計画によると「配当性向50%以上」を目標とすることが記載されているので、経営方針としては問題ない範疇にあると考えられます。
配当利回り
現時点の株価と配当金から配当利回りを算出すると3.72%となります。
私の投資では基本的に配当利回り4%以上を目安としているので、目標値には少々足らない状況ではあります。
ただし、ディフェンシブ銘柄であること、増配基調であること、長期的な配当意思があることなどを考えると、この水準でも投じていきたいと考えています。
配当利回り4%以上というのはあくまで目安であって絶対的なルールではありません。長期保有にメリットを感じる銘柄なら、目先の配当利回りが多少低いとしてもポートフォリオ全体でカバーすれば何の問題もありません。
業績・経営面のチェック
兼松エレクトロニクスの稼ぐ力をチェックしていきます。
項目 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
売上高【百万円】 | 61,289 | 64,166 | 62,251 | 67,396 | 71,961 |
営業利益【百万円】 | 6,390 | 8,408 | 9,536 | 10,074 | 10,933 |
営業利益率【%】 | 10.4% | 13.1% | 15.3% | 14.9% | 15.2% |
ROE【%】 | 10.9% | 13.1% | 14.8% | 14.2% | 14.5% |
営業利益率
営業利益率は、会社が本業でどれだけ儲けているかを示します。
「10%以上」あれば、強みのあるビジネスを持っている会社だと判断しています。
兼松エレクトロニクスは常に目標値を超えた高水準で業績を維持しています。
腐りにくいITサービスが主体であることがきっちり成果に表れていると思います。
ROE(自己資本利益率)
ROE(Return on Equity)は、株主から集めたお金でどれだけ利益を出したかを示す値です。
「8%以上」あれば、効率的な経営ができている会社だと判断しています。
兼松エレクトロニクスはこれを大きく上回り、さらに増加傾向です。
中期経営計画では「ROE12%以上が目標」と明言されていましたが、すでに目標値を超える状態です。
この調子で来年・再来年も、優秀な経営力のままで成長し続けてほしいと期待しています。
財務面のチェック
続いて、兼松エレクトロニクスの安定性をチェックします。
項目 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
総資産【百万円】 | 55,274 | 61,193 | 63,789 | 68,170 | 71,791 |
自己資本比率【%】 | 69.8% | 68.6% | 71.9% | 72.4% | 73.6% |
自己資本比率
自己資本比率は、返済しなくていいお金の割合を示し、企業の安定性を測る指標となります。
「40%以上」あれば、倒産リスクが少なく安定感があると判断しています。
兼松エレクトロニクスは毎年安定して70%前後を保っています。
総資産も年々増加傾向で、良好な財務を維持しつつ堅実に会社を大きくしていることが伺えます。
高配当株投資において重要な「長期保有」の観点に優れていることは非常に大きなアドバンテージです。
総評
「兼松エレクトロニクス(8096)」について銘柄分析しました。結果は以下の通りです。
チェックポイント | 基準 | 直近の実績 | 評点(1~5) | 評価 |
配当利回り | 4%以上 | 3.72% | 2.8 | 私の基準では若干低いが、この銘柄なら十分に投じても良い |
配当金の傾向 | 増配傾向ほど良し | 増配傾向 | 4.5 | 大変順調な増配基調。 |
配当性向 | 30%付近 | 52.3% | 3 | 上場企業の平均値よりは高めだが、経営方針的には問題なし |
営業利益率 | 10%以上 | 15.2% | 4.5 | 非常に良い。業界が腐りにくく、今後も安定的な利益が期待できる |
ROE | 8%以上 | 14.5% | 4.5 | 非常に良い。中期経営計画の目標値も上回る成績 |
自己資本比率 | 40%以上 | 73.6% | 4.5 | 総資産とともに財務状態も年々ブラッシュアップ |
個人的には、ずっと持ち続けたい優良高配当株と評価します。
兼松エレクトロニクスの強みの要点は、
- 景気影響を受けにくいディフェンシブ銘柄
- 約10年間の配当金実績にみる増配傾向
- 需要拡大が見込めるIT分野がビジネス主体
- 安定的なビジネスが生み出す高収益性
- 倒産しにくい堅実な財務体質
となります。
FIREを目指して長期的な配当金投資をするにはうってつけ銘柄だと思います!
本ブログで解説した他の銘柄分析については、こちらにまとめております。
ご興味のある方はぜひご覧くださいませ。
さいごに:日本株投資を始めるならネオモバがおすすめ
日本株への投資を始めるならSBIネオモバイル証券(ネオモバ)がおすすめです。
日本株は単元株数(100株)購入が基本ですが、ネオモバなら1株から購入できるのでスロースタートしやすいからです。
使用感やメリデメについては以下の記事にて解説しております。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
※本記事はあくまで個人的な投資基準にもとづいて銘柄分析した結果を述べております。本銘柄への投資を促すものではありません。
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